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by dozeutea

Another

最近はTV放送されている作品を観るだけでいっぱいいっぱい(それでも追いきれているわけでもなく・・・)で、あまり書けるようなこともないですが、P.A.WORKS制作の作品『Another』があったのでその作画について少し書いてみようと思います。




今作でキャラクターデザインが石井百合子さんになり、関口さんがキャラクターデザインを担当されていたときよりも線がずっと硬く(直線によって構成される部分が多く、シルエットとしてもやや直線基調)、パーツごとの形もカッチリ感が強くなっていました。作品の雰囲気として緊張感が強く硬質だというのもあってそれが良い方向に出ていたように思います(これは色指定と美術が負っている部分が大きいとも思いますが)。

今作で鈴木美咲さんがキャラクターデザイン補佐(クラスメイト等を担当?)を務められていましたが、本編では『花咲くいろは』と同じくキーアニメーター的に重要なシーンの原画を担当されているように見えました。
1話ではおそらくBパートのクラスメイトが恒一を囲んで次々と登場する教室のシーン。あまり派手なシーンではありませんでしたが、眼鏡を直す手の流れるような軌道などもあって鈴木さんらしさが出ているように見えました。基本的に3コマで、軌道の方向が替わるところでスッと自然に2コマが入り流麗でした。
4話はAパート後半のガラス板のシーン。笑うところで抜き気味に体を揺らすのが良かったです。倒れてくるガラス板を避けるところで、普通ならもっと枚数を使って倒れ込む重たさを出そうとすると思うのですが、あまり枚数を増やさずにさらっとやってしまうあたりも上手さが出ていました。
5話はAパート後半の下校時の下駄箱のシーン~心臓発作のあたりでしょうか。この回は小島さんの修正がかなり強くてかなりコントロールされているのでちょっとわかりにくいのですが・・・・。ここはだいぶ地味ですが、段差を降りる際の頭が∞の字の軌道を描いていたり、動きの流れの綺麗さへのこだわりが見えました。
10話はAパート最初の河川敷の赤沢さんのシーン。叫ぶ瞬間にパカっとさせるところに持ち味が良く出ています。最初の涙が落ちる主観カット、地面との距離感など難しいことをやっている。片足でバランスを崩しながら坂を降りるなんていう珍しい動作もあったりして面白かったです。

5話と10話の作画監督の小島明日香さんが今回もまた上手かったです。
立ち上がったり体の向きを替えるときに逐一予備動作を入れていて、ゆっくりした動きも枚数を多く使ってコントロールして丁寧な挙動を作っていました。底上げに徹しているように見えて回全体が良かったです。

最終話では石井百合子さんのアクションシーンの修正が良かった。Aパートの恒一と風見の取っ組み合いは石井さんの特徴が出ていたと思います。包丁を持った手をつかむカットがインパクトのある絵になっていました。

そして特筆すべきは7話の動画工房回。全体的に良い回でしたがAパート冒頭の先生の自殺シーン。沖田博文さんの担当を思われますが、喉元に包丁を差した後、体の上下を2次元平面上でのパーツ移動で見せていたり、体をガクッと倒す勢いに重ねるようにカットを切り替えたりなど、90年代後半以降の磯光雄さんを彷彿とさせるような動かし方でものすごくインパクトがありました。先生の背中の上下のみが映るカットだけで異様さがすさまじくて、演出込みで凄いシーンでした。作画的には今年1月~3月に放送されたTV作品で一番のインパクトを受けました。
磯さんのような動かし方は最近はほとんど見ることがないというのもあってかなり興奮しました。だいぶグロテスクなシーンではありますが・・・・。
沖田さんは口・顎を前に突き出す瞬間に1コマを入れるなど特徴のある動かし方をされるので、初原画(らしい)の『アザゼルさん』からお仕事を追って見ているのですが、今回の突出ぶりは驚きでした。

5話の途中で一部シーンが挿入されていた『Another』のOADも作画がだいぶ良さそうなので気になるのですが、OADは結構値が張るのがつらいですね・・・。
『花咲くいろは』でせっかくPAの作画について少し書いたので、今回もこの作品について書いてみようと思った次第なのですが、『CANAAN』あたりと比べると着実に練度と精度が上がってきている感じですね。PAの次作も楽しみです。『ニンニンマン』をシリーズ化してくれると一番嬉しいんですけどね(笑)
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by dozeutea | 2012-04-08 13:15