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by dozeutea

TARITARI#6

前回に引き続きTARITARIの話を。話題が動き(やそれによる時間表現)に関することばかりなので静止画では伝わらないことが多すぎるとは思いますが・・・・。1話4話に続く3回目の社内原画回(1話は社内原画+外部)。

6話は1話冒頭のような凝った動作、芝居の盛りっぷりが随所に見られます。
冒頭からいきなり軍手を外しながら靴を脱いで家にあがる様子を引いて見せる。二つの動作ともに細かい動作でそれぞれに要する時間も違いますが、それを自然に最適化された動作で見せています。
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1話Aパート冒頭のシーンと逆の構成になっていて対照化しているように思えます。布団を引きに行くために一旦二階の部屋を出る父・圭介の振り向く背中を和奏が目で追っている様子をはっきりと見せていたり。

階段の上から降りてくる和奏を下から上がってきた圭介が心配して肩に手を添えますが、和奏が降りていくのに合わせてその手が反対側へ移動し、支える手になります。
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階段を降りるのも二人のタイミングをずらして和奏→圭介の順で動いて、気遣いのある動作を作っています。
この一連のシーンはカット内の時間の流れる速さを一定にするためでしょうか、ずっと動作が連続しています。ここはポーズ主体でも成立させられるカットもあると思いますが、全てアニメートで表現しようという意志も感じます。ここはフルアニメのように枚数をたっぷり使って動作を増やしていて小島明日香さんの担当かと思ったのですがどうでしょうか・・・。

和奏と紗羽の馬場でのシーン。紗羽が引き綱を引いてしゃべりながら、弓を構えるポーズをしたり、父親の話になると無意識的に(手元を見ずに)綱をくねらせる。引き綱(紗羽にとっては慣れているもの)を持っている手の感覚が無意識的にあるような感じで芝居をさせています。また、1・2枚目と3・4枚目のカットの間には鞍上の和奏を見せるカットが挟まりますが、カット切り替えるといつのまにか紗羽が引き綱を両手持ちにしていたり。
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この柔軟な動作の移行は両手に手綱を握りしめて(そして精神的に)余裕のない鞍上の和奏との対照にもなっているのでしょうか。

電話しながら洗濯物をたたむ作業。肩に挟んで両手で作業→目で見ずに洗濯物をつかむ→腕の内側に載せて抱える。主婦力を見せつけています。
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目で見ていない方向に対する動作の対象というのは、むしろ目で見ているものより近しい存在だったりもしますし。

おもいきり笑う動作も、噴き出してから小走りで前進して座り込む。精神的に解放されていく過程なので、緊張の糸がぷつんときれたような、思わず駆け出してしまったというような笑い方をさせています。
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妥協はしない。と言わんばかりの手元の細かい動作を何度も見せてきます。ケーキの箱をとじる。おむつを付ける。カセットをラジカセに入れて再生のスイッチを押す。
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手かっこいい。実際に原画の方が実演しながら描いている様子が浮かびます。面倒な重いカットばかり執拗に作って見せているのは『わすれなぐも』と同じで技量の向上まで考えているように思えます。ものを持つ、持って動く、ものを離すの動作を繰り返していた『いろは』とも近いように感じました。

他にも圭介や和奏が涙を拭うのも数段階にしていたり、圭介とまひるが二人並んで歩くシーンでも二人のタイミングをずらしていたり、とにかく細かいところまで気を遣って作っているように感じました。
アニメ的な表現・記号的な表現を回避しようとする意図もあるのでしょうか。

この6話は1話(おそらくAパート)で演出を担当された倉川英揚さん(1話は安斎剛文さんと共同)が再び演出を担当。構図・レイアウトで見せるカットよりも動きで見せるカットの方にずっと比重を置くというのはTVではなかなか見ることが出来ないものだとは思いますが(一方、許琮さんは構図で見せていくタイプだったりするのも面白いところですが)、原画も5人と少なく、時間をかけてじっくり作った話数なのだと思います。
こういう回こそPAの持ち味だと思うのでこういう回がもっと増えてくれれば・・・。
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by dozeutea | 2012-10-18 00:01 | アニメ